高齢者のレクリエーション

回想法

 

記憶障害や見当識障害などを持っている高齢者は、不安やイライラ感、緊張、混乱、防衛反応などを起こしやすい傾向があります。こうした高齢者が、自宅や養護施設などにおいて穏やかな生活を送れるための一つの手段として考案されたものが「回想法」なのです。

 

この回想法は、現実への適応能力の衰えが目立ち、生活する上で自信を持つことの出来ない高齢者に様々な効果をもたらします。その結果として、昔話をするときには生き生きと自信を持って話すことができるようになったり、現実の生活の中で自身を取り戻し適応がよくなってきます。

 

そして、他者への関心が高まり他者との交流を深めることができるようになるのです。ただし、テーマの選び方やそれに関わるスタッフの手腕によっては、全く効果が上がらなかったり、かえって高齢者を混乱させてしまうことがあるので十分に気をつけなくてはなりません。

 

回想法のゲームとしては「あの頃の私」というものがあります。これは、少し大きめのカードに「話題ネタ」を10枚ほど作り、それを参加者に引いてもらってその話題について話してもらうというゲームです。

 

しっかりと話せない参加者の場合は、簡単にインタビューで切り上げる方法をとるとスムーズにいきます。「話題ネタ」としては、私の故郷、兄弟、私の好きな食べ物、学校の思い出、子どもの頃の遊び、初恋の思い出などがポピュラーなものです。